「プリザーブドフラワー・アーティフィシャルフラワー・生花」用途別の選び方

生花を飾ると、部屋が明るくなります。美しい花をより長く楽しみたい、そんな思いに応え、加工法や技術が進化してきました。中でも、プリザーブドフラワーとアーティフィシャルフラワーは人気があります。生花には、生花ならではの良さがありますし、加工された花にも生花には無い良さがあります。それぞれの特性を活かした選び方をご紹介いたします。

プリザーブドフラワー

プリザーブドフラワーは、美しい状態を特殊な技術で保存加工した本物の花です。プリザーブは「保存加工」という意味があります。1991年にフランスの会社が、生花の水分を抜き脱色してから着色する、特許保存技術を世界に紹介しました。このプリザーブドフラワーは、その後世界にも広がり、2003年から国内でも作られるようになりました。ドライフラワーとは異なり、花弁には生花のような質感があり、好みの色を楽しむ事が出来ます。加工する過程で、花の下で茎をカットし、加工液につけています。その為、アレンジに使うときにワイヤー処理をして、茎を作る必要があります。

本物の花ですから、扱いには注意が必要です。湿気に弱く、日光が長くあたる場所では退色する事もあります。花の着色料が、色移りする事もあります。また、乾燥しすぎると花弁がひび割れする事もあります。
「どの位もちますか?」と質問されますが、条件により変わります。置き場所には、次のような注意が必要です。

  • エアコンの風が直接あたらないようにし、玄関や窓からの強風にも注意する
  • 極端に暑すぎず寒すぎない温度の場所に置く
  • 湿度が高すぎるとカビが発生する事もあり、低すぎるとひび割れをすることがある
  • 直射日光・窓際を避ける
  • 衝撃や力が加わると変形したり、花切れ(花弁が切れた状態)する事がある
  • 薬剤を使用しているため、家具の塗料と反応して、シミになる事がある
  • 着色料が衣服や壁に色移りする事がある
  • 水が掛からない場所に置く

以上のような事に注意すると、長く楽しむ事が出来ます。

アーティフィシャルフラワー

紙を使った造花は昔からありました。ポリエステル素材を使った造花も、100均ショップには、色とりどりに並んでいます。

ご紹介するのは、アーティフィシャルフラワーです。これまでの造花と比べ、高い芸術性が感じられます。
一番の魅力は、色や形が本物の花と見分けがつかないほど、美しく作られている事でしょう。種類が大変多く、高価な花はもちろんの事、草花や実物にいたるまで、ほとんどの植物が作られています。

花と葉の部分はポリエステル、中心にワイヤーを通してあります。花の色は単色ではなく、自然の花に極めて近い色で作られています。花の咲き方や葉の様子も、忠実に本物を再現しています。例えば、一枝に5輪の花がついているバラでは、一輪一輪の花の大きさが違います。下の花ほど大きく、先端には、つぼみが付いている事もあります。同じ規格で大量に作られていますので、アレンジには最適です。時折、規格が変更になり、新製品が出たり廃番品が出る事もあります。
見た目は繊細ですが、比較的、丈夫な作りになっています。ワイヤーを利用して、本物の植物のようにしなやかにアレンジする事も出来ます。退色する事はありますが、とても長く飾る事が出来ます。管理が楽なので、本物の花の代わりにインテリアやディスプレーとして、重宝されています。

Atelier桜木作品

用途や場所に合わせて選ぶ

生花は、水やりの必要があります。それに対して、プリザーブドフラワーとアーティフィシャルフラワーは、その必要がありません。大きな利点ですが、他の注意が必要になります。プリザーブドフラワーのバラより、むしろ生花のバラの方が花弁が厚くてしっかりしています。
花を飾る目的は様々です。その用途に合わせた使い分けをすることで、より自由に、花を楽しむ事が出来ると思います。

大切な日・記念日・特別な日をドラマチックに飾る花

プロポーズ・結婚式・記念日・お祝いなど、特別な時に生花が好まれています。ドライフラワーも人気がありますが、主流は生花でしょう。

生花の持つ生命感や躍動感、人の手では作りえない美しさ、この日のために美しい花を整えた人たちの想い。

それらがドラマチックに、特別な日を盛り上げてくれるように思います。

テレビの画面越しにも、生花の美しさは伝わってきます。美しさと共に、そこに関わった人の気配が感じられます。ニュース番組のスタジオのセットで、一輪だけ萎れていたアジサイがありました。本物の花を使っているため仕方なかったのでしょうが、それに気づいたとき、アレンジした方は恐らく胸を痛めたことでしょう。生花には、そんな気遣いも求められます。

花束

花束は、お祝いにプレゼントされることが多く、華やかさがあります。大きな花束ですと、一抱えもあり、束ねる技術が必要になります。花と花が重ならないよう、美しく束ねていきます。

プリザーブドフラワーで花束を作ることも出来ます。
花は茎が1~2㎝ほどしかありませんので、茎にワイヤーを刺し、さらにフローラルテープを巻いて茎を作ります。アジサイやカスミソウはワイヤーを添えて茎を作ります。プリザーブド加工した葉もあります。
それらの花材やリボンを使い、花束を組みます。

プレゼントされた生花の花束は、ラッピングを外して花瓶に飾る必要があります。プリザーブドフラワーの花束は、そのまま置いたり、ブーケスタンドに挿して飾る事が出来ます。手軽な大きさですので、部屋のインテリアとしても素敵です。

コサージュ

コサージュを作るとき、次のような注意が必要です。

色移り

洋服につける事が多いので、色移りしないような作り方をします。これは、生花とプリザーブドフラワーに共通して言えます。直接、花や花材が服に触れる事を防ぐため、色移りしない材料で土台を作ります。アーティフィシャルフラワーの葉を使うこともあります。胸元につけるので、視線が集まります。アーティフィシャルフラワーより、プリザーブドフラワーの方が、花の美しさを表現できるように思います。あらかじめ制作出来る事も、生花にない利点でしょう。生花のフレッシュ感は華やかさがあり魅力的ですが、使う間際に花を入手する必要があります。

なるべく軽く作る

コサージュが重いと、服につけたときに生地を傷めたり、服が引っ張られてしまう事があります。
細いワイヤーを使い、軽やかに仕上げましょう。

インテリア

アーティフィシャルフラワーの別名を、インテリアフラワーとも言います。
家具を傷めたり、壁に色移りする心配もないアーティフィシャルフラワーは、インテリアにはうってつけと言えるでしょう。ほこりが付いた場合、風を当てたり、ハンディモップで軽く払ったりします。小さい花材は綿棒で、丁寧にほこりを取る事もあります。

プリザーブドフラワーも、同様にインテリアとして飾る事ができますが、先ほど述べたような注意が必要です。
透明のケースを利用する事もあります。

商業用ディスプレー

店舗やホテルなどを飾るディスプレーには、アーティフィシャルフラワーが良いでしょう。
一定期間の展示に対して、手入れが容易く、アレンジメントの変化があまりなく、表現力や多彩性の点で優れています。大きなアレンジメントも作る事が出来ます。

土に植えたグリーンや花木は、生命の躍動感があります。季節の移り変わりを表現する効果もあります。置く場所の条件では、葉が落ちたり元気がなくなる事もあります。それらの条件を考慮して、選ぶ必要があるでしょう。

リース・スワッグ

リースやスワッグは飾る場所に合わせて、花材を選びます。

風があたる場所、揺れる場所、屋外などは、アーティフィシャルフラワーを使うと良いでしょう。日光に当たると、退色します。制作する際には、リース台を使うと手軽に作る事が出来ます。

クリスマスのように短い期間飾るのでしたら、フレッシュグリーンのリースもお勧めです。毎年、教室ではフレッシュグリーンのリースを作ります。作業場のようになり、独特な香りのする教室で、季節が移り替わる事を感じます。
ヒムロ杉やヒバやアイスバーグで作るリースは、ゆっくり茶色に変わっていきます。室内でしたら、翌年まで飾る事が出来ます。

プリザーブドフラワーのリースは、リース台に花材をつけて作ります。
アーティフィシャルフラワーと組み合わせて作る事もあります。
グルーガンなどの接着剤を使う事もありますし、ワイヤーで固定する事もあります。ワイヤーの良さは、花の向きを変えたり組み替える事が出来る点です。接着剤がはがれる心配もありません。

スワッグは、芯にワイヤーを使い、花材を組み上げていきます。形は違いますが、リースと同様の花材の選択をします。

生花を使う場合、リーズ台に吸水スポンジを使用します。水を含み、大きいサイズではかなりの重さになります。テーブルの上に置く場合は心配ありませんが、吊るす場合はその点を注意してください。

ハーバリウム

植物標本の意のハーバリウムが広まったころ、プリザーブドフラワーのアジサイやカスミソウが品薄になりました。

花やグリーンを透明な瓶に入れ、オイルを浸して飾ります。このときに使う花材は、カビが発生するため、生花は使えません。ドライフラワーを使用すると、次第に色あせてきます。アーティフィシャルフラワーですと、光を通しませんので、透明度がありません。
プリザーブドフラワーは、光を通して葉脈や花弁の筋がきれいに浮かび上がります。

花を楽しむ

美しいプリザーブドフラワーに魅かれ、アレンジメントを習い始めてから10年余りになります。
ドライフラワー加工やアーティフィシャルフラワーアレンジを習い、改めて生花に興味を持ちました。
花の名前・花の咲き方・アレンジの仕方など、生花レッスンを通して学ぶことは多くありました。それらの知識をもとに、その時々やその場所やその目的に合わせて、花材を選ぶ事が出来るようになりました。ジャンルや条件に縛られない自由な花の飾り方を楽しんでおります。

ギフトアレンジメント

参考記事

花の活用法  「花の活用法」花の飾り方と、花を長く楽しむ方法 -how to use

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